ブックタイトルbe-o vol.108(2018.12-2019.1)

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概要

be-o vol.108(2018.12-2019.1)

すると、糖尿病の患者さんは皮膚疾患を併発することが多く、皮膚科と治療の連携をすることが多くありました。だんだんと世の中に美容皮膚科とかドクターズコスメとかいう単語が浸透してきて、私が目指していたところはココだ!って。すぐに先輩に相談して皮膚科の教授を紹介してもらって…。正直、前代未聞ですよ。まだ内科医になって2?3年の新人が、すごく偉い先生によくもまぁいけしゃあしゃあと「美容がやりたいんです」なんて言いに行ったなと(笑)。モノを知らないって怖いですよね。受け入れてくれた先生方には本当に感謝しています。||医師とメディアの仕事の共通点は?共通点は人が相手だということ。クリニックでは一人ひとりの患者さんに、メディアではその媒体を通してその先にいる人に、私の知識を分かりやすく伝える。正しいことを正しく分かりやすくというのが私のモットーです。児科の先生だったと思うんですけど、私の話をとても真剣に聞いてくれました。治療ではなく、ただただ気持ちを受け止めてくれたんです。それから病気ともう一度向き合うことになったのですが、私は病気や命に直接関わることではなくても、生活に密接した部分をお医者さんは治してくれるんだ、と知って。それが高校三年生の時。それからは猛勉強です!若いっていいですよね(笑)。今であればそんな時期からじゃ無謀だからってやめちゃうかもしれないですけど、あの時はやりたいからやる、みたいな。びっくりするくらい根拠のない自信があったんですよ。||東京へ進学することへの不安は?東京には小さい頃から強い憧れがあって、大学選びは東京一本でした。全然怖くも寂しくも不安もなかった。やった!東京ライフだ!って感じで。ところが、入学時はまったく不安はなかったのに、入ってみるとそりゃもう、周りはみんな頭が良いわけです。私、一年生の最初の試験で100人中97位だったんですよね。正直ビックリしましたし、ショックでした。それからは試験一ヶ月前になれば毎日図書館や自習室を使って勉強して。特に六年生になってからは、国家試験までひたすら試験をこなしながら勉強だけの日々。大学も住まいも新宿でしたが、歩いていける新宿伊勢丹が遠い遠い(笑)。でも、たまに新宿駅まで歩いて大好きな伊勢丹に行く。何も買うわけではないけど一周して帰るとか、雑誌や本が発売日に店頭に並んでいるとか、それだけで東京を感じていました。今思えば、何て純真な子だったのか…。やっとの事で国家試験に受かって医師になり、大学病院での研修医生活が始まりましたが、講義室に行かなくなった代わりに今度は医局通い。結局8年間ひたすら大学と家とを往復する日々でした。||念願の医師生活のスタートは?研修医一年目は、本当に大きな壁でした。今まで教科書を覚えていれば大丈夫だったものが、何も通用しないんです。とにかく、毎日毎日ひたすら怒られる。人生でこんなに怒られたことない!ってくらい。もちろん何もできない私が悪いんですけど、命を預かる現場ですから、ペーペーの医者には看護師さんのアタリも結構キツめで(苦笑)。特に救急時は、ベテランの看護師さんの方が俄然戦力になります。看護師さんに「先生、医者呼んできてくれる?」と言われたり、名前も呼んでもらえなかったり。一年程経って「友利先生、それ私がやっておきますよ」と声をかけてもらった時に、ようやく認めてもらえたんだと思います。そうやって鍛えられた後、私は病気の人だけではなくて病気になる前の人も診ていきたいと考えて、生活習慣病を扱う糖尿病センターに勤務するため内科を選択しました。私が目指していた医者に、当時は一番近いと思ったんです。ARATA TOMORIコーディネートポイント今回は沖縄を意識した鮮やかなブルーのカットソーをチョイス!女性らしい大胆なフリルがポイント。スカートの素材で冬の季節感をプラス。/カットソーとスカート(Drawer)大切なのは正しいことを正しく分かりやすく伝えることこんなに怒られたことない!大きな壁と明確な目標憧れの東京でひたすら勉強大学と病院を往復した8年21CoverInterview