コンテンツ

Cover Interview / Ms. Little Chico/好きと、個性とワタシ。

2019.04.25

 

今年、県内大注目のイベント『Okinawa E-Motion #フライングサマー2019』のメインビジュアルを描いたミス・リトル・チコさん。これから沖縄のアートシーンを引っ張っていくであろう、注目の若手クリエイターにbe-oが単独インタビュー。好きなことを真っ直ぐ追い続ける彼女自身と彼女が手掛けるイラストの魅力をたっぷりご紹介!

 

イラストレーター  

Ms.Little Chico ミス・リトル・チコ

1992年3月6日、沖縄県那覇市出身。東京を拠点に活動。アメリカのカートゥーンやカルチャー、ストリートアートに影響を受けたポップなイラストを得意とする。

Instagram:chico_illustration

 

 

 

 

 

 

 

 

絵でも活躍できるんだって証明したかった

―いつ頃からイラストに目覚めた?

物心ついた時から絵を描くことが大好きでした!運動が苦手で、その代わりに絵ばかり描いていました。でも小さい頃って、特にスポーツができる人が目立つじゃないですか。それがとっても悔しかったんですよ(笑)。だから、運動ができる人だけが人気者になれるわけじゃないって、周りに認められたかったんです。絵でもちゃんと活躍できるんだって。私が絵にのめり込んでいったのは、そんな「人気者になりたい!」という下心が原動力にあったかと…(笑)。最初はみんなを惹きつけること自体が楽しくて描いていましたが、だんだんと私のイラストでみんなを笑顔にすることのほうに喜びややりがいを感じるようになっていきましたね。

 

カートゥーンとグラフィティその世界観への大きな憧れ

―イラストレーターとしての原点は?

私の絵はアメリカのカートゥーンやグラフィティ文化に大きな影響を受けています。幼稚園の頃、初めて観たアニメ「トムとジェリー」に衝撃を受けました。「こんなにずっと見ていて飽きないキャラクターがいるのか!」って。トムとジェリーって喋らないけど、その豊かな表情や動きでストーリーを理解できるんですよね。その表現力がすごいし、本当にオモシロい。日本のアニメにはないそんな独特の魅力にハマって、小さい頃はカートゥーンネットワークやディズニーばかり観ていました。
 それから、私のイラストには文字を入れることが多いのですが、それはグラフィティ文化の影響です。文字の装飾だけで人々を惹きつけるアートスタイルが好きなのはもちろん、バンクシーのように顔を出さずとも作品だけが一人歩きして、世界中で話題をつくり、人々を楽しませ、有名になっていく様がめちゃくちゃカッコよくて!ずっと憧れていました。それもあって、私は今まで自分の顔を出さずに仕事をすることにちょっとしたこだわりがありました。

 

 

個性を出すことへの勇気どうせなら、オモシロい方がいい

―でも今回、ビオの表紙に出てくれました!

実はこのお話をいただいた時、すっごく悩んだんですよ!グラフィティアーティストのスタイルに憧れている反面、昨年ロサンゼルスで開催された「L.A. ZINE FEST」へ行ったときに少なからず影響を受けました。そのL.A. ZINE FESTでは作品自体の見せ方だけではなくて、出展者が自身のファッションやヘアスタイルなども含めてブースを演出する自己表現力の素晴らしさに感動したんです。この個性を大事にして楽しむ姿がとても魅力的でした。それからは「頑なに自分を隠す必要もないのかな」とも思えるようになって、帰国後は私も自分の作品に合った服装や髪型をしてみるようになりました。そうしたら絵の説得力も少し増すかなと。その流れの中で、雑誌の表紙に出るお話が来て、こんなオモシロい話が来るなんて、二度とないはずと思い、とても迷ったけど、最後は人生の記念だ!と思ってやらせていただくことにしました(笑)。でもギリギリまで、カワイイ友達に声かけようかと思ってましたよ、替え玉で(笑)

 

RYUCHELLさんとの出会い”アート”が沖縄をつくる

 


―仕事での変化。

 今まで様々な案件を経験させていただいた中で、新たに自分のステップアップへと繋がったなと特に感じたのが、RYUCHELL(りゅうちぇる)さんのファーストアルバム”SUPER CANDY BOY”のアートワークのお話をいただいたことと、今回の「Okinawa E-Motion」の公式イラストレーターへの就任です。RYUCHELLさんとの出会いで大きかったことは、仕事に対する姿勢を学んだことでした。自分の好きを追求して、細部までこだわり、魅せるための努力。そして現場でもみんなを気遣う優しさと、熱意を持って真面目に仕事へ取り組む姿勢。同じ沖縄出身ということもあり、一緒にお仕事をした上でとても勉強になることが多かったですね。
 また私とRYUCHELLさんがお互いに表現したいことが凄く合って、相性が良かったこともあり、本当に楽しく制作することができました。改めて、”楽しんで作る”大事さも実感しましたね。
 Okinawa E-Motionは、新しい大きな観光プロジェクトで、私を指名していただいたことをとても光栄に思います。私のイラストがメインビジュアルになることもあり、構成や多くの人に見てもらうための工夫を、より様々な目線で考えるようになりました。イラスト制作に対する自分の気持ちの入れ方もまた新しくなったと思います。Okinawa E-Motionを通して、沖縄の観光の発展に少しでも貢献できるように、全力を尽くしたいです。

 

 

―これからやりたいこと。

 実は今年の3月末に沖縄に帰ってきたばかり。理由は2つあって、1つは私の仕事って今の時代どこでもできるんじゃないかなって思ったこと。そしてもう1つは、昨年沖縄でアートイベント「Okinawa Art Market」を立ち上げたことです。昨年は発起人にもかかわらず、私は東京にいたので沖縄の仲間たちに頼りっぱなしでした。だから自分が地元に戻ってしっかりと基盤作りをするために帰ってきました。まずはこのイベントを根付かせるのが最大のミッションです。昨年の11月に北谷で開催したのですが、それが好評だったので今年も同時期に開催を予定しています。県内外のクリエイターたちは自分の作品を多くの人に知ってもらえて、来場者は一度で沢山のアートに出合える。そして気に入ったらその場で買うこともできる。そんな気軽にアートを楽しめる場所を沖縄で作っていきたいです。個人的には、私の絵を1人でも多くの人に知ってもらい、国や言語を飛び越えて、どの世代からも、いつの時代でも愛されるカートゥーンキャラクターのような、みんなを笑顔にする作品を作っていきたいです。 

 

CATEGORY

Instagram
official Instagram
@beo.okinawa